ひとりで事業をしていると、何でも自分でやろうとしてしまいませんか?
営業も、実際の作業も、準備や片付けも。人に頼めばお金がかかるし、自分でできることなら、自分でやった方が安上がり。そう考える人も多いと思います。
でも、私は少し違います。
実は、整理整頓があまり得意ではありません。外仕事で使う道具の準備や片付けも、正直なところ苦手な作業のひとつ。
そこで、人に手伝ってもらうようにしました。もちろん、時給はお支払いします。
すると、イライラしながら一人で作業するより、何倍も効率的に感じたんです。何より、一緒に楽しく仕事ができる。これは思っていた以上に大きな変化でした。
一方で、私自身が仕事を受注する立場になったとき、「それは外注ではなく、単なる丸投げでは?」と感じる経験もありました。
仕事を人に任せることには、大きな価値があります。ただし、任せる側にも忘れてはいけない責任があるはず。
今回は、そんな両方の経験から、ひとりビジネスにおける外注と、仕事仲間との向き合い方について考えてみたいと思います。
ひとりビジネスは、全部ひとりでやることじゃない

自分で事業を始めると、どうしても「自分でできることは自分でやろう」と考えがちです。
特に、まだ売上が大きくない段階では、できるだけ経費を抑えたいもの。人に頼めば費用が発生するのだから、そう考えるのも自然だと思います。
ただ、そこで見落としたくないのが、自分の時間や気力にも限りがあるということ。
例えば、同じ1時間の仕事でも、得意なことに取り組む時間と、苦手なことを我慢しながら進める時間では、感じる負担がまったく違います。
苦手な作業に手間取ってしまい、本当にやりたい仕事に使う時間がなくなる。そんな状況が続くなら、多少お金を払ってでも人の力を借りる方が、結果的に良いこともあるでしょう。
何も、最初から従業員を雇ったり、組織を大きくしたりする必要はありません。
必要なときに、必要な仕事だけお願いする。それだって立派な外注の活用方法です。
ひとりビジネスとは、自分で事業を営む働き方であって、すべての作業を一人で抱え込むという意味ではないはず。
自分が頑張ることと、自分で全部やることは同じではない。
そう考えるようになってから、私自身も仕事の任せ方が変わりました。
苦手なことを任せたら、仕事が楽しくなった

私の場合、分かりやすかったのが草刈りなどの外仕事です。
現場での作業そのものは嫌いではありません。むしろ、目に見えてきれいになっていく仕事には、面白さも感じています。
ただ、道具の準備や片付けとなると話は別。
整理整頓が苦手な私にとって、細かな道具を準備したり、使い終わったものを片付けたりする時間は、なかなかのストレスでした。
もちろん、やろうと思えば自分でもできます。
でも、イライラしながら作業することに、どれほどの意味があるのだろう。そう考えて、人に手伝ってもらうようになりました。
当然ながら、手伝ってくれる人には時給をお支払いします。自分だけで作業する場合と比べれば、支出は増えるわけです。
ところが、実際にお願いしてみると、これが想像以上によかった。
苦手な部分を手伝ってもらうことで、仕事は何倍も効率的に感じられました。何より大きかったのは、一緒に楽しく仕事ができたことです。
一人でイライラしながら準備や片付けをするより、誰かと一緒に気持ちよく働ける。その違いは、自分にとって決して小さなものではありませんでした。
外注というと、どうしても費用対効果や時間短縮ばかりに目が向きます。
もちろん、それも大切。
でも、私はそれだけではないと思っています。
そんな価値があってもいいのではないでしょうか。
仕事を任せることと、責任を丸投げすることは違う
ここまでは、自分が仕事をお願いする立場で感じたことを書いてきました。
一方で、私はWeb制作や事務サポートなど、仕事を依頼される立場にもいます。
その経験から、外注について強く感じていることがあります。
それは、仕事を任せることと、事業者としての責任まで丸投げすることは、まったく違うということです。
事業者自身が決めるべきことは、自分で決める

例えば、商品を販売する事業なら、何をいくらで販売するのか。どんな条件で提供し、どのような方針で事業を進めていくのか。
こうしたことは、本来、事業者自身が判断するべきものだと私は考えています。
もちろん、分からないことを専門家に相談するのは構いません。調査や情報整理、判断材料の作成を有償で依頼する方法もあるでしょう。
むしろ、自分だけでは判断が難しいときこそ、専門家の力を借りる価値があります。
ただし、相談することと、決定する責任を放棄することは別の話。
必要な情報や助言を受け取ったうえで、最後に何を選ぶのか。その判断は、事業を営む本人が担うべきだと思います。
私自身、発注者が決めるべきことが決まっていないまま、受注者側に判断や整理を委ねられることに、強い違和感を覚えた経験があります。
たとえ有償であっても、事業者としての意思決定そのものを無責任に押し付けてよいとは思いません。
厳しい言い方かもしれませんが、私にとっては、事業者として失格と言いたくなるほど大切な問題です。
相手の時間や意志力を奪っていないか

さらに問題だと感じるのは、それを格安や無償で相手に求めることです。
依頼内容が曖昧なまま仕事をお願いする。必要な条件を決めず、受注者から質問されて初めて考え始める。自分で整理するべきことまで、相手に考えてもらおうとする。
こうしたやり取りには、目に見える作業時間だけでなく、考え、確認し、判断材料を整理するための時間も必要になります。
そして、その一つひとつに相手の意志力が使われている。
相談や追加業務として合意し、対価を支払って依頼するのであれば、それも仕事として成立します。
しかし、相手の善意や好意に頼り、当然のように負担を増やしていくのは違うでしょう。
私はそう考えています。
自分にとっては、たった一つの質問かもしれません。
でも、その質問に答えるために、相手がどれだけ調べ、考え、時間を使うのか。
そこまで想像できるかどうかは、仕事を人に任せるうえで、とても大切なことだと思います。
外注先は、大切な仕事仲間である

私は、外注先を単なる作業の依頼先として考えたくありません。
自分が苦手なことを引き受けてくれる人。自分にはない技術や知識を持っている人。そして、自分の事業を一緒に支えてくれる人。
そんな大切な仕事仲間だと思っています。
だからこそ、仕事をお願いするときには、相手へのリスペクトを忘れたくない。
依頼する目的や内容、必要な条件を、できるだけ抜け漏れなく的確に伝える。自分で決めるべきことは、事前にきちんと決めておく。
分からないことがあれば相談すればいいし、追加でお願いしたいことが生まれたなら、その内容や対価について改めて話し合えばいい。
難しい話ではないと思うんです。
お金を払っているから何でも頼んでいいわけではないし、知り合いだからといって、相手の時間を自由に使ってよいわけでもありません。
自分の時間を大切にするのと同じように、相手の時間も大切にする。
それが、仕事仲間に対する最低限の敬意ではないでしょうか。
思い返せば、外仕事で人に手伝ってもらったときも、単に作業を分担できたことだけが嬉しかったわけではありません。
自分が苦手なことを助けてもらいながら、一緒に楽しく働けたこと。
それが、何よりありがたかった。
ひとりで事業をしていても、すべてを孤独に進める必要はありません。
人の力を借りることで、自分だけではできなかったことができるようになる。そんな関係を、これからも大切にしていきたいと思っています。
まとめ|全部自分でやらなくていい。でも、責任まで手放さない
ひとりビジネスだからといって、何もかも自分で抱え込む必要はありません。
苦手なことは、得意な人に任せてもいい。お金を払って時間をつくることも、気持ちよく働ける環境を整えることも、自分なりの経営判断です。
ただし、人に仕事を任せることと、事業者としての責任を手放すことは違います。
自分で決めるべきことは決める。そして、仕事を引き受けてくれる相手の時間や意志力を大切にする。
全部自分でやらなくていい。
だからこそ、一緒に働いてくれる人への感謝と敬意は、忘れずにいたいものです。
ひとりで抱え込まず、
考えを整理するところから。
事業の進め方や仕事の任せ方など、
一人では整理しにくいこともあると思います。
MyAでは、対話を通じて考えを整理し、
次の一歩につなげるお手伝いをしています。
